精神疾患の労災で泣き寝入りしないための5つのポイント

2020/03/09

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精神疾患でも労災調査を受けられる!

仕事をしていて、精神の変調をきたし、それがもとで体に様々な不調をきたし就業不能になる。一生懸命仕事をすればするほど、仕事に不調が響いていく。

これは決して珍しい事ではありません。
実際に私自身も現在労災の申請を行い、それに基づく調査が進んでいる段階です。

しかしネットで情報を集めていると、精神疾患での労災認定は業務との因果関係の解明が難しく、それがそのまま精神疾患での労災認定の難しさにつながっていることが伺えます。

しかし、実際に精神疾患での労災認定がまったくの無理筋なのかというとそんなことはありません。

証拠がなくても、記憶が曖昧でも、労災の申し立てをすること自体が全く無意味なことではないのです。
それについて今回まとめていきたいと思います。

精神疾患での労災認定は何故難しい?

これは私が労災の調査員の方と話した中で何度も出てきたことなのですが、まず労災という制度自体が、精神疾患を考慮に入れて設計された制度ではない、ということが精神疾患での労災認定の難しさの一番の理由です。

実際に皆さん労災という言葉を想像してみてください。
  • 機械に挟まれて指を飛ばした
  • 石綿を吸って肺炎になった
  • 薬品のタンクに転落して骨しか残らなかった
こういった物理的な被害のある事例を連想する方が大半ではないでしょうか?

実際に精神疾患の労災調査もこれをそのまま精神疾患に当てはめているので、例えば
  • 全社員の見ている前で裸にされうつ病になった
  • 業務中に罵声を浴びせられてうつ病になった
など、原因が明確にわかる場合を想定した制度設計となっています。

これはもちろん日本の精神疾患への理解の遅れです。

ですが制度自体を批判しても何の意味もありません。
制度の中で戦わなければいけないのです!

最初にも申しあげたとおり、精神疾患での労災認定がまったくの無理筋なのかというとそんなことはありません。

一番簡単に認められる例

これも労災の調査員の方とお話しして教えて頂いた部分です。

明確に労災と認められる基準は目安として、
  • 単月で100時間を超える残業があって6か月以内の発症
  • 80hが連続3か月続いた翌月から6か月以内の発症
  • 自身のミスで会社に1億円程度以上の損害が発生して6か月以内の発症
  • 自身の業務に起因して(ミスかどうか問わず)人を死亡させ6か月以内の発症
こういった事例では、事実確認ができた時点ですぐに労災認定がなされます。
極端すぎだろ
ですので、こういった場合は会社が拒否してもすぐに労災申請しましょう。

それ以外の場合は、精神疾患と業務との因果関係を明らかにするための調査が必要となってきます。

では具体的にポイントの部分に入っていきましょう。

ポイント1 会社が労災申請を出さなくても自分で申し立てられる

まず前提として、労災というのは被害を受けた個人ではなく、被害を受けた個人が雇用されている会社から申請を行うのが本来の道筋です。

しかしながら基本的に会社は労災を申請したくありません。
それにはこんな理由があります。
  • 労災保険料の増額
    • 会社が払う労災保険料は、雇用者が20名を超えている場合労災が発生するごとに上がります。
  • 会社のイメージの低下
    • 労災を出せば当然会社のイメージが下がり、新規契約には悪影響ですし、既存の契約も打ち切られる可能性があります。
  • 労基の監査が入る(可能性がある)
    • 労災を何度も出せば労基から監査が入る可能性があります。これが大事故の場合は一発で入って操業停止なんていう事態にも陥る場合があります。
これ以外にもそもそも労災保険に加入していないだとか、手続きに割ける人間がいないだとか、そういった事例が考えられますが、ではそれで労災申請が行われなくてそれでおしまい、という形になってしまっては会社は隠すだけ得をする形になります。

ですから、労災には、個人側からの申し立ての手段が用意されています。

具体的には厚生労働省のHPにて、以下の様な様式が公開されています。
労災保険給付関係請求書等ダウンロード
私の場合はここからではなく具体的に労働基準監督署に出向き、そこで相談をして出していただき記入して申請しました。
精神疾患の場合は家から出ることも困難である場合も少なくないので、PCがあればこちらでダウンロードして印刷、記入して労働基準監督署に郵送するのが良いでしょう。

これを記入したうえで、
  • どういった経緯があったのか
  • どれだけ辛いのか
こういった部分をWordでもExcelでもテキストファイルでも、A4一枚でいいです、まとめた上で添えて提出しましょう。

ポイント2 証拠は必ずしもなくて良い

ネットの記事を見ていると、証拠がないと調査されないといった趣旨の記事が良くヒットしますがそれは誤りです

申し立て内容に明らかな瑕疵や偽りがなければ、労基は調査を行ってくれます。

具体的に調査に入ると、基本的には関係者への聞き取り調査が主だった方法になってきますし、そこで主張が対立した場合に補強的に提出できるものがあれば提出する、といった形での利用が証拠品の主な使い道となります。

実際に録音内容や自分でつけた勤怠記録があればもちろん話は早いですが、労基の調査員の方々も慣れていますので、無かったとしても事実を推定できる資料をポイントを絞って取り寄せ集めてくれます。

ですから、証拠がないから申し立てしないのではなく、証拠がなくても被害を受けたと感じているのであれば申し立てを行いましょう。

ポイント3 SNSか日記を付けよう

予め書いておきますが、これは証拠を残すためという話ではありません。

聞き取り調査を受ける中で、私自身もこれがかなり論の補強になったのですが、非公開のTwitterアカウントで何月何日にどう感じたかという部分をメモしていました。

実際に調査が始まると、”いつ” ”なにがあったのか”という部分を明らかにする作業が始まります。

そのときに、調査員の質問から答えるときの思い出しとして、この辺りはこんなこと呟いていたなぁとか、このイベントの直後にこんな事件があったんだよなといったことを思い出すだけでも調査員の聞き取りに説得力を持って返事をすることが出来ます。

いつと、どう感じたかを明確に話せることは、それだけで大きな意味がありますし、実際に私もそうでしたが精神疾患になってしまうと、症状なのか薬の影響なのか、いつとどう感じたかという部分が混濁してしまい、聞かれても明確に整理が出来なくなります。

理路整然とまとまった文章でなくていいので、少しでもいいから記録は残しましょう

ポイント4 とにかくすぐに申請しよう

この点はポイント3と対立しますが、不調が発生したら即座に申請しましょう。
個人的にはこれが一番大事なポイントだと思います。
良くなるかもしれないという希望は甘えです。
良くなる余地がある会社であればそもそも精神疾患の労災なんて発生しません。
精神疾患の場合は特に会社が渋る場合が多いです、なので会社に相談することと、労災申請の申立書を用意することを並行して進めましょう。

同時に私の話なのですが、持ち帰り残業が多かったり、私自身が業務が得意でこなせてしまったりしていたので、現状”業務が本当にストレスだったのか”という部分は争点となってしまっている部分があります。

調査員の方には、
「じゃあ、おめぇらやってみろよって言っておいてください(ニッコリ)」
と言ってしまっていますが。

結果的にこなせてしまった
とか
能力が高いからこなせる仕事だと推定できた

と言われるのは職業人としては嬉しい部分ではあるのですが、労災かどうかという部分に関わるとマイナスでしかありません。
ましてこれを覆すためには、こなしてしまったがそれによって受けた実害を説明しなければならないので、結果の出ている出ていないに限らず、おかしいと思ったらすぐに申請するのが大事です(自戒)

ポイント5 労災と認められなかった場合の対処

実際に労災調査を行った中で、労災と認められるかどうかは精神疾患の場合は微妙です。
しかし二つ大きなポイントがあります。
  • 調査の中で出てきた事実は事実認定される
  • 調査の内容は開示請求ができる
私の場合発症前よりも発症後に受けた仕打ちの方がやばかったものがあります。

会社会議室への監禁および恫喝です。

この当時私は録音も取っておらず、証明が難しかった部分があったのですが、労働基準監督署の方で様々な調査をしてくださった結果、この事実に関しては調査資料に載せることが出来ました。

労災の場合は発症後の内容はあまり考慮されないため、労災認定にこうした事実がつながる事はあまりありません。
しかし、公文書としてこのような内容が残る意義は大きく、私ができるかどうかはわかりませんが、労災請求が通らなかった場合でも裁判などで使用できる可能性があります。

このあたりは私の労災調査とその他の手続に進展があった場合に都度記事にしていきたいと思います。

さいごに

SE職に限らず、皆様一生懸命仕事をして日々を過ごしているものと思います。

そういう中での理不尽が乗り越えられるレベルであればただの苦労だとは思うのですが、社会的な不都合を生じてしまうような内容であった場合それは絶対に泣き寝入りしてはいけません。

この記事が実際に被害の渦中にある方だけでなく、これからを生きていく様々な方への救いとなってくれれば幸いです。

また、企業の経営側の方に於かれましては、企業として営んでいくということが大きな社会的責任を担うことだと再認識して、健全な労働環境を構築できる経営を行って欲しいと願うばかりです。

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