個人的には、12月くらいから既に日本にはウィルスは渡ってきていて、普通の風邪として対症療法を受け、治癒しているのが多いのではないかと思っています。
なにしろ予てから12月初旬には中国国内のSNSで感染症についての投稿が多く上がっていたにもかかわらず、昨年12月だけで71万人中国人旅客が日本に訪れているのですから。確かに風邪だから安全というわけではないですが、今の騒ぎ様はいささか過剰なように感じますね。
対岸の火事ではないにしても、淡々と日々の生活を送る中で通常通り風邪予防して、体調不良になったら会社を休んで病院に行く。
それだけでいい、というかそれ以上のこともそれ以下のことも出来ないでしょ?と、思う次第です。
さて、そんなわけで今日は製造業の会社に勤める人間として、実際製造業の内情どうよ?というところを書いていきたいと思います。
製造業へのコロナウィルスの影響
ニュース記事
さて、今回の製造業に対する影響について、各ニュースメディアの記事を色々と見ていきましょう。
北海道に限っての記事ですが、中国から原材料や中間材を調達している企業はや、中国との商関係の有る企業はマイナスの影響が出てくる見込み。
まあロイターなんで、日本の製造業に対してはかなり悲観的な記事を出しています。中国で生産ができなくなったら日本の製造業は終わりだよ。
中国から生産を引き上げてベトナムに行こうという記事。
中国から原材料や中間剤を調達している企業は創業できないよ、という記事。
日本では製造業が一番今回のウィルスによる影響を注視しているという記事。悪影響とも良影響とも書いていない。
本日時点で製造業だけに限って書いている記事は意外と多くないですね。
全体的なところをまとめると、
- 中国から原材料中間材を調達しているとマイナス影響
これくらいでしょうか、確実に言えるのは。
実際のところ
さて、私が製造業で仕事しながら(といっても社内SEなんで現場に出ているわけではないのですが)ここ1ヶ月感じている部分です。
受注はむしろ増加している
私の勤め先の場合、簡単で数の多い製品は中国での生産、それ以外を日本で生産していたのですが、中国での生産ができなくなったことで中国生産分の受注が日本に回ってきて、むしろ国内工場の稼働率は上がっています。
殺人的なまでに^^;
当然中国向けの受注は利幅が小さいかマイナスが出る場合も有るので、必ずしも利益率が確保できないところはデータ上もそうなのですが、全体の業績としてはむしろプラスです。
材料がないということはない
製造業の中でもFA向けの精密金属加工業なので、安価であっても中国産の生産原料は品質が低い場合が未だにそこそこあり、もともと日本の会社から仕入れていたことから材料が不足するということはありませんでした。
今後仮に世界にコロナウィルスが蔓延して、根本的な鉱物資源の輸入が滞ればその限りではありませんが、そのときにはそもそも作ったものを買うニーズ自体が壊滅していますからね。
それほど悲観するような状況にないというのが正直なところかと思います。
今後仮に世界にコロナウィルスが蔓延して、根本的な鉱物資源の輸入が滞ればその限りではありませんが、そのときにはそもそも作ったものを買うニーズ自体が壊滅していますからね。
それほど悲観するような状況にないというのが正直なところかと思います。
販売数は影響なし
全ての製品が小ロットの受注生産のため、受注増→販売数増です。
中国から巻き戻された分の受注が増えているため、単純には語れないところはありますが、一つ言えることは勤め先の製品の購入先はほぼ全てが国内企業であるため影響が出にくい環境に有ることはたしかです。
いま開発している自働ラインで生産コスト自体を下げることが出来れば、価格競争力を保ったまま利益を生む構造を作り出すことは、現実的なラインで実現可能です。
ただ内需の拡大とか大きなことまで考えると、製品価格に生産コストの増加分を転嫁するという解決方法が一番なんですけどね。
我々の給与も増えて、我々自身がそれを使えるから。
いま開発している自働ラインで生産コスト自体を下げることが出来れば、価格競争力を保ったまま利益を生む構造を作り出すことは、現実的なラインで実現可能です。
ただ内需の拡大とか大きなことまで考えると、製品価格に生産コストの増加分を転嫁するという解決方法が一番なんですけどね。
我々の給与も増えて、我々自身がそれを使えるから。
今後の展望
では今回の事態を受けて、今後日本の製造業はどうなっていくのでしょうか。
中国は既に安くない
最近よく聞かれることですが、中国で生産することに日本がシフトしていったのは、中国の圧倒的な人口に基づく労働力と人件費のやすさを当てにしてのことでした。
しかしながら最近では中国も給与水準が向上して、実際あまり安くは物を作れない現実があります。保護主義的に自国に生産拠点を取り戻そうとしているインドや米国や、超高付加価値製品に主眼を置く欧州などの状況を考えると、価格競争力は既に競争力たり得ない時代に足を踏み入れ始めたと思われる昨今、僅かな利鞘を狙って中国に仕事を出すということは実際の数字ほど安く出来る話ではないと思われます。
そしてそういう中での今回のコロナウィルスのような、清潔への意識の低さから来る疫病の蔓延などの問題が顕在化した。これは一過性のリスクではありません。人間が人間である限り疾病は偏在するものです。そして今回中国は独裁体制の社会主義国として、このような自体に適切に対応できなかったばかりか、隠蔽により自体を悪化させました。
今後も類似の疾病が出れば中国という国の構造が変わらない限り、同様の事態となるリスクはついて回ります。
そんな国に安心してものづくりが任せられるでしょうか?無理ですよね。世界の工場と言われる中国は、今回のコロナウィルス騒動が今後どんどん衰退していく潮目になるように思われてなりません。
では他の国は?
かといって中国以外の東南アジア、特にベトナムなどが取り沙汰されていますが、現実問題として中国が今の品質を担保するまでに10年以上の時間がかかりました。遵法意識に向くか、方をかいくぐることに向くかの意識が違うだけで、中国人はアジアの国々の中でも勤勉です。
そんな国で10年かかったことを、他の国で同じようにまたしていく。今度は何年かかるかもわからない。これは現実的な考え方でしょうか?
そしてそこの生産コストが上がったらまたイナゴのように労働力の安い第4,第5の国へ拠点を移していくというのは、短期的に見ればたしかに収益につながるのかもしれませんが、技術継承の問題や投資回収コストも考えるとそれほど大きな利点ではないように感じます。
じゃあ結局
ここで書いたような世界的な潮流や中国の性質を見ても、国内の企業の自動化の潮流を見ても、今後製造業の仕事は今回のコロナウィルス騒動を切欠として、今回一時的に戻ってきているだけではなく、恒常的に国内に戻ってくるのではないかと思っています。
ちなみに、私の開発している自働生産ラインも、基本的には単純な製品をほぼ人が手をかけずに生産、検査、梱包までやってしまう仕組みなのですが、こうした仕組みが普及するに従って、中国から戻ってきた低利益製品は国内の自働ライン、高付加価値製品は国内の人の手という住み分けができてきます。
今回の騒動が結末を見るまでに国内の製造業が十分にシステム開発をできていれば、海外に流出した製造業の仕事は海外でやる意味を失い、どんどん日本に戻ってくる、そういう未来が見える気がします。
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